祖母の家に遊びに行くとわたしはまず、ふかふかの座布団を抱えて二階の空き部屋へあがる。窓によじ登り、屋根に渡って、日向ぼっこをするのだ。ポケットにはお菓子がたくさんつめ込まれている。くじつきのフーセンガム、おまけつきのキャラメル、スズメのえさにするためのポン菓子。
何度も屋根から落ちかけたけれど、平気だった。スリルをスリルとも思わず、植物がお日様へ向かって伸びるように、自分の好きなほうへぐんぐん成長していたという感じで、いつだって身体の出っぱったところー肘や膝やお尻ーには切り傷やかさぶたや青あざがあった。ただ不思議と顔には傷ひとつつくらなかった。無意識にもどこかで女の子は顔をかばって生きているのだと思う。 |